こんにちは、ファンテギュット・ブックスです。
今日は姉妹で大好きな、フリッツ・バウムガルテン ( Fritz Baumgarten ) の絵本についてお話しようと思うのですが、その前にドイツ語のファーストネームについて少し。
子供が生まれることになって、さあどんな名前にしよういうときに、漢字と響きの組み合わせで数えきれない選択肢や可能性のある日本に対し、ドイツではすでに存在する名前を選んでつけるのが一般的です。
ヤーコブやマリア、ノアやパウルなど、キリスト教に由来する名前が一番多くて、次にゲルマン語由来のもの、アレクサンダーやクラウディアなど古代ギリシャ・ラテン語由来のものや、家族のルーツや趣味によってはニルスなど北欧系や、アーニャなどスラブ系に由来するものもあります。
どんな由来があるにしても、名前にはそれぞれ意味があって、個人的な意見ではあるのですが、たとえば清らかさや信仰心を意味するクリスティーナという名の人はまっとうな人生を送っている優等生タイプ、男らしさを意味するアンドレアスは、小さいことは気にしない安心感のある人が多かったりと、日本でもいう「名は体を表す」ということわざは的を射ているなあと思うのです。
さて、そんなことを思いながら考えたのが、小人たちや小動物が森で暮らす様子を多く描いたドイツの絵本作家、フリッツ・バウムガルテンのことでした。


1920年代から1960年までの間に、500点を超えると言われる作品を遺したバウムガルテン。「フリッツ」というのはフリードリヒの愛称で、意味は「平和をもたらすもの」。バウム(=木)ガルテン(=庭)という苗字もあいまって、作品とのフィット感にあらためて頬がゆるんでしまいました。
あまり情報がない作家ではあるのですが、フリッツ・バウムガルテンの人生は、時代に翻弄された、本人の望んだ世界とはかけ離れたものだったのではないかと思うのです。
1883年ライプツィヒに生まれ、はじめは絵葉書やカードのデザインで生計を立てていたバウムガルテンは、ふたつの世界大戦で徴兵・徴用されたり、家が爆撃にあったりといった憂き目にあいます。戦後も東ドイツにいたバウムガルテンですが、西ドイツの出版社と連絡を取り、検閲を逃れるため自身の作品を「甥や姪のための本」として西側に送り、報酬を物資で受け取っていたこともあったそうです。
ここからは想像の範囲でしかないのですが、♪森の木陰でどんじゃらほい♪と小人たちが歌うのが聞こえてきそうな、平和でゆかいなバウムガルテンの描いた森の世界は、戦時・戦後の荒廃した都市で、彼自身が望んだ理想郷だったのではないかと思うのです。
ほっとしたいときに手に取り、表紙を開きたくなる、バウムガルテンの絵本。
現在ファンテギュット・ブックスで取扱中の、バウムガルテンの本はこちらからどうぞ。
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お気に入りの一冊が、見つかりますように。

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